SST オセロがあると、生きやすい

子どもは遊ぶことが仕事って言うけれど

子どもと遊んでると、「そんな手よく考えるな」「あれ、さっきケンカしてたけど遊びの中ではうまくやれるな」なんてことがざらにある。

子どもからしたらただただ「楽しんでるだけ」なんだけどね。

 

人との関わり方って教科書で「こころとは~」といったことで学ぶだけじゃなくて、そういった遊びの中でちょっとずつ覚えていけるんだと思う。

だから「子どもは遊ぶことが仕事」なんていうけれど、その遊びはどんな意味があるだろう?

私は社会訓練として遊びはどんなスキルを使っているか、それを支援者が意識して使うことによってより意味あるツールとなると考えます。

そんな中でどんな遊びを説明するとわかりやすいかなって思ってたら、オセロかなと。

 

オセロは楽しいだけじゃない!

オセロとは、2人制で交互に盤面へ石を打ちながら、相手の石を自分の石で挟むことによって自分の石へと換えていき、最終的な盤上の石の個数を競う遊びです。有名ですよね。

オセロってどんな風に進めていくでしょう。当たり前じゃんって言わず、改めて考えてみましょう。

さらに、これらをスキルとして整理すると、こうなります

このように、一つの遊びの中にも様々なスキルが活用されています。

例えば「遊びに誘う」というところであなたならどう誘うでしょうか?ここからはストーリーで考えてみましょう

誘い方を考える

支援者
「オセロを誘う時、どんな風に言う?」
子ども
「やろ!っていうかな」
支援者
確かにそれで十分伝わるね。でももしかしたら自分だったら何を「やろ」なのかわからないかもしれない。よりよくするならどうしたらよいだろう?」
子ども
「うーん、オセロやろ、とか?」
支援者
「せやね。オセロという言葉があるとより相手に伝わるね。」
支援者
「ほかのときも、何かをしたい時、「何を」したいかはっきりしたほうが相手に伝わりやすいから、やってみようね」
子ども
「うん」

というように、「誘う」だけであってもよりよい伝え方を考える練習となります。

これ以外のスキルも、それぞれ繰り返し行うことで、自然と身に付きやすいものとなっています。

オセロの利点

オセロはそれ以外にやりやすい理由がいくつかあります。

➀駒の役割がシンプル

・・・将棋などに比べて、駒の役割が「打つ 裏返す」というのみで、比較的簡単に行うことができます。

②白黒で分かりやすい

・・・駒に文字や模様が描いているのではなく、2種類の色で判別することができ、視覚的に情報を整理しやすくなっています。

③ポピュラーな遊びであること

・・・比較的大人も親しみ深い遊びであり、子どもとの関わりの導入にやりやすい遊びとなりやすい。

 

 

ただこれらのスキルをオセロをしている時だけ活用してるだけなら、もったいないですよね。

違う場面でも使えるようにするために必要なことは、オセロの役割を支援者が理解し、「これはできているな」「これはまだうまくできていないな」とスキルを部分的に修正、強化していくことが大切です。

 

つまり、オセロをしたからと言ってすぐに全ての行動が上手くいく、という訳ではなくて、繰り返しやる中でちょっとずつ覚えていけたらいいよねって話です。

日本史のテストで教科書の問題を何度も復習してテストでよい点を取れるようにするのと一緒で、オセロも繰り返し行うことでその効果がより高いものになります。

遊びっていうのはそういう意味で一般的な「勉強」と違って、「楽しさ」を感じやすいものとなっています。

人と関わる練習としては、とてもマッチしやすいものだと。

まとめ

このように、一つの遊びであっても多種多様なスキルを複雑に使っているのがオセロであるかなって。

オセロの魅力を最大限引き出していけたらなと思います。

人との関わり方のスキルに関しては、別に専門的な教材がなくてもできます。

必要なものは、その場にあるものはどんなスキルを用いているか気付き意識する視点です。

そうすれば、全ての行動がスキル習得のきっかけとなります。

 

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こご

こご

児童福祉施設職員 子どもの心理養育について日々発信しています。クマノミ生活は1年以上。