SST メデューサのめだまやき

 

特化する行動

相手を見る

だるまさんがころんだってしってる?

皆さん初めて聞きましたって顔ですよね?だるまが転ぶわけない、そうです。でもね、転ぶんです。昔、「だるま」という和尚さんがおり、その人がころぶ度に弟子たちが笑う。その度後ろを振り向くと、周りが静かに知らないふりをする。そんな遊びが発祥なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冗談です。そんな話はありません。だるまさんがころんだは比較的浅い歴史の遊びで、発祥に関してはいまだよくわかっていないことが多いです。

子ども
急に冗談かますなよ・・・

すみません。気を取り直して、とはいえ多くの方が知ってる代表的な遊びの一つです。

おおざっぱに言うと鬼と参加者を分け、鬼にタッチしたら参加者の勝ち。鬼はタッチされるまでに参加者が動いているところを全員みたら勝ち。そんな遊びですよね。

SSTの中で「だるまさんがころんだ」をアレンジするならば、「相手を見る練習」に結びつくことができます。

「メデューサのめだまやき」は、そんな意味をこめたSST教材となります。

「相手を見る」ことがなぜ必要なの?

私たちは対人の環境で生活しています。 その中で相手とコミュニケーションをする中で、多くを視覚情報に頼っています。

メラビアンの法則、というのをご存じでしょうか?心理学者であり教授であるアルバート・メラビアンが提唱した法則です。

メラビアンの法則とは?

「好意や反感などの感情を伝えるコミュニケーション」という特定の状況下において、 言語情報と聴覚情報と視覚情報が矛盾した場合、相手が重視するのは、

  • 言語情報(Verbal:7%)メッセージの内容:話の内容、言葉そのものの意味
  • 聴覚情報(Vocal:38%)声のトーンや口調:声の質・速さ・大きさ・口調
  • 視覚情報(Visual: 55%)ボディランゲージや見た目:見た目・表情・しぐさ・視線

勿論、これは特定の状況下においての実験のため、全てのコミュニケーションの中で視覚情報が優位に立つものであるということを立証されるものではありません。

ここで大切なのはボディランゲージ等の非言語的コミュニケーションがより円滑なコミュニケーションを形作るヒントとなる可能性があるということではないしょうか。

例えば、想像してください。

こんなとき、ない?
あなたはA君に話をしている。それも進路に関わる大切な話を。でもA君は「うん」「はい」とうなづきと返事はするが、全くこっちの方を向かず、話を聞いているようにあなたは感じない。あなたは不信に思うだろう。本当にこの子は聞いているのだろうか・・・

A君自身にとっては「真剣に聞いているつもりであった」としても、相手に伝わる情報としてはそうは感じない。

多くの人は視覚、聴覚、言語をフル活用して相互のコミュニケーションを円滑にしています。しかし、それらを十分に活かせず、困難を抱えている人も少なからずいます。

その理解の促しを、「楽しく」勉強することをテーマにしました。今回は、「メデューサのめだまやき」でやってみましょう。



セッションを構成する条件

対象年齢:誰でも(集団の年齢は3歳以上離れるのは言語能力に差ができることが多く推奨しません)

対象場所:どこでも

職員:リーダー1人+コリーダー1人(以上)

子ども:1人~5人程度(メデューサ1人+参加者それ以外)

セッション想定時間:20分~40分

複数人で行う場合、セッション参加者と見学者を明確にし、順番で行います。

項目解説

全体図となります。

基本的なルールです。簡単に言うと、「だるまさんがころんだ」+「あいてをみる」というルールです。

だいじなことの部分には、できるだけ簡潔に動機づけとなる文章をつけました。

やり方です。それぞれの役割をイメージするなら、まず大人がお手本を見せるのが良いでしょう。

もしポーズをとっていたら、どんなイメージか考えることも、おもしろいでしょう。

「この子はどんなポーズなんだろう?」と相手に興味を持つきっかけにもなります。

支援のポイント

複数で行う場合、見学者に対しては「あの子はどういうポーズかな?」ということを考える時間を与えてみてください。そうすることで、セッション参加者以外もセッションに参加しているという気持ちとなり疎外感を軽減します。

教材ダウンロード

メデューサのめだまやき プリント

名前の由来

「だるまさんがころんだ」という遊びは、地域によっては「ぼうさんがへをこいた」「インディアンのふんどし」等色々よびかたが変わります。

これらの多くは「10文字」という枠組みの中で構成されています。

ちょうどその枠組みが遊びの中で使いやすい、というところからきたみたいですね。そんなところから、10文字になる言葉として生まれました。

「メデューサのめだまやき」は石化させる目を持つ怪物が、参加者を石にした・・・そんなイメージを込めています〇(正式には『メドゥーサ』らしいですね)

ちなみに私の地域では、「だるまさんがころんだ」は「ヴィーナスの涙」と言われていました。

 

 

 

・・・?8文字やんけ・・・

The following two tabs change content below.
こご

こご

児童福祉施設職員 子どもの心理養育について日々発信しています。クマノミ生活は1年以上。