SST おみせはつらいよ

こんな子に悩む方におすすめ!
したいことばかりする

人の気持ちがわからない

その時にあった行動ができない

おままごとって子どもがするごっこ遊びというイメージがありますよね。

ケーキを作ったり、母親の言っている「はやくご飯食べましょうね」を真似したり…

自分だったらどうするか、どんな表現をするかを考える上でとても大切な遊びです。

そんな遊び、友人とうまく関係が築けない子にとっても、良い勉強方法にもなります。

子どもとともに「楽しく」勉強、してみましょう◯

おままごとの理解

おままごとには色々な魅力があります。


  1. 物体を違う物にみたててあたかもそこにあるかのようにする発想力の向上(積み木がカレーになったり等))
  2. 役割を通した対人関係の模擬体験(母親を演じ、母親と同じ言葉を発し、相手とコミュニケーションをはかる等)

②は、日常生活の中でも行う時があります。母親を観察しまねているのです。

しつこく叱った後、子どもが同じように叱るふりをふざけていうことはありませんか?

観察学習の中で、それらを学んでいるのです。

支援者
叱りかたを真似されると思わず苦笑いしてしまいます・・・

自分の行動を振り返る経験も大切ですね。

今回のSSTの場合、特に②に特化した練習となります。

私たちは、普段それぞれの関わり方があり、それらをある程度自己制御して行動しています。

それらが上手くできない場合、どのように関わるかを学ぶ際におままごとはとても有効です。

自己制御機能と役割

例えば、こういう時はないだろうか?

A君とB君がお互いにやりたいゲームがある。しかしそれは一人でしか遊べない。お互いにどちらも遊びたいとなった末、順番で遊べばよいと考え、A君は譲ることとした

こういった動きは自己制御機能(self−regulation)と呼ばれ、自己の要求や意志に基づいて行動を調整する能力として大切な機能とされています。

私たちは、お互いのことに欲求をぶつけあいながら生活していますでしょうか?

上司への不満や愚痴に耐えながらも、物事を達成するために一度我慢したりすることがあると思います。これは、子どもの世界でも同じです。

感情を抑制・制御できない場合どうなるでしょうか?

私たちは外部刺激を通した情報を脳で分析して行動に移す前に、「感情」というフィルターを通ります。

そのフィルター機能が不十分であった場合、欲求のまま行動を起こすことになるでしょう。カッとなって腹が立って犯罪に手を染めてしまった・・・と言った事件が起きるのは、それらの感情制御の弱さが原因の場合があります。

それらを訓練する上で、おままごとは非常に有効と考えます。理由は大きく3つ


  1. 多くの人が知っている遊びであること
  2. 役割が明確であり、自己抑制機能の訓練となりうること
  3. 状況が固定化され、1つ1つのシチュエーションを想定した訓練ができること

何故自己抑制機能の訓練となるといえるだろうか?演劇を想像してほしい。

 

それぞれの演技者はその対象になりきり、その人になりきり言葉を発す。演技をしている時、その人になりきった人はこう思うことがある。

「この時にこのセリフは言わないだろう」と。実際変えてみると、より良くなることがある。そうやって演技者はよりよい演技を追求していく。

 

これらを子どもの場面で考えると、「母はこういう時にはこういうだろう。」「レストランの人はいつも丁寧だけど、なんていってるのかな」といった考えを遊びにしたて、自分以外の存在になりきり演じる。

これはおままごとの魅力でしょう。

私たちは演じることで、その時にあった必要な言葉を選択する能力を選び、考える力を持ち合わせていると考えます。

だからこそ、対人関係に困難を抱えた子どもにとって「おままごと」の中で「この時はこうしたらよいかも?」ということを知ることが有効でしょう。

では、SSTとしての「おままごと」をするならば、どのようにするだろうか?下に記しました。ぜひ活用してみてください〇

セッションを構成する条件

対象年齢:誰でも(集団の年齢は3歳以上離れるのは言語能力に差ができることが多く推奨しません)

対象場所:どこでも

職員:リーダー1人+コリーダー1人(以上)

子ども:1人~3人程度(想定した状況によって変動する。)

セッション想定時間:20分~40分

複数人で行う場合、セッション参加者と見学者を明確にし、順番で行います。

項目解説

表紙となります。

基本的なルールです。簡単に言うと、「おままごと」+「ミッション」というルールです。

ミッションには「どうやったら円滑にコミュニケーションをするためにどうしたらよいか」ということを考えさせるようなことをあてはめるとよいでしょう。

出来る限り、大人は求められたときに助言してください。

助言のポイントは、良かったポイントを認め、(正のフィードバック)「よりこうすればよくなるよ」といった順番が大切です。

肯定的に認められたことで、より行動を強化します。

やり方です。それぞれの役割をイメージするなら、まず大人がお手本を見せるのが良いでしょう。

たくさん増えると、その間の時間をもてあます時間も増えます。その時間にどんなことをしたらよいか、一緒に考えるのもよいでしょう。

支援のポイント

多くの場合起こるのが、セッション中にその状況が面白くて笑うこと。物語が思ったように進まない場合があります。

でもいいんです。そのまますすめましょう。

もし、著しくセッションの場を乱すのであれば、「ここでは楽しく勉強をしたいが、話が進まないようになるのは、やめてほしい」と声をかけましょう。

セッションの中でできる限り叱る回数は減らし、セッションの中のこうどうとして「どうしたらよいか」を考える機会を増やします。

教材ダウンロード

おみせはつらいよ プリント

名前の由来

おとこはつらいよです。わからなかったですよね!

接客業って本当に大変。日本の接客は世界一と言われてますが、残業とか大丈夫でしょうか。身体は壊さないでね。

 

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こご

こご

児童福祉施設職員 子どもの心理養育について日々発信しています。クマノミ生活は1年以上。