そうぞう王はきみだ!

このSSTで学ぶ内容
様々な場面を想定する力を養う

考える力を身につける

仲良くなる方法を考える

 

人間が想像できることは人間が必ず実現できる

これは海底2万マイル等で有名なジュール・ヴェルヌが残した言葉である。この言葉を私は好きだ。なぜなら人間の想像の幅は限りなくあり、それらは実現できるという意欲に結びつくことにもなりうるからだ。

私はこのことから人は想像する中で意欲を持ち、成長していくと考える。

対人関係においても想像力というものは重要であり、常に私たちはあらゆることを想像して生きている。

例えばそれはどんなことかと言うと、

友人がアイスをたべていたが、突如お腹に手を当ててもじもじとしている。これを見てどう想像するかと言えば、「トイレに行きたいのかなぁ」と考える。

と言った具合である。おそらくこの後「大丈夫?」と声をかけてあげたらよいと思い話しかけるだろう。

対人関係における想像力というのはどうやって鍛えられていくだろうか。

一般的には親や友人との関わりの中でそれらは培われていく。そしてそれらは1つの行動から他の行動にも応用されていくのが一般的である。

言うならば他の時にお腹を触っていたのをみたら、以前トイレに行く前にお腹をさすっていたからトイレかな?と言った具合である。

しかし、発達障害を抱えたり、人との関わりの中で違う行動パターンが定着している子どもにおいてはこれまで学んだことを応用という形で他の事象に当てはめることができない場合がある。

これは認知の仕方に違いがあると考えられる。

先の例で挙げるならば、「トイレに行きたいのかなぁ」と想像せずに、「お腹をたださすってるなぁ」としか考えれない。といった具合にである。

その際によく起きることが、他人から「そんなの考えたらわかるだろ!」と言われることである。

勿論これはその人物が経験を押し付けているに過ぎない。しかし、一般社会ではこういったことがよくあり、失敗体験として植え付けられてしまう。

これまで経験として学んだことがあっても、それが他の時に想起できなければ他者からは非難される。

叱られて学ぶより楽しく学ぶには

叱られることで「この時はこうしたらよいのか」と覚えることもできるだろう。しかしトラブルは出来る限り避けたいものです。

だからこそ私たちは事前に学ぶ機会が必要であると考えます。

想像する能力を、繰り返し練習することで、「そういったパターンもあるのか」と考える機会を増やすことととなります。

今回のSSTは複数人でやればより効果を示すものとして作っています。

もし一人に対して行う場合があっても、リーダーとなる大人が「こうも考えられるね」とサポートしてあげると良いでしょう。

Aの答えはAだけでなく、BだったりCだったりする場合もあるということ。今回はそういった

こんな時におすすめ!
「色々なパターンを想定する練習」
とでもいうSSTとなります〇

 

セッションを構成する条件

対象年齢:小学生以上~

対象場所:特になし

職員:リーダー1人以上

子ども:1人以上

セッション想定時間:30分ほど

項目解説

説明文となります。 ポイントレベルアップ表にそって、得る称号が変わります。

練習問題となります。

最初に選択式の問題を用意しており、どのような言葉を書いたらよいかを考える練習となります。

また参考までに筆者が想定するシチュエーションは「カレーを入れる人と順番を待つ人」としています。

子どもによっては絵の人物を自分と重ねることが難しい場合があります。その場合は重ねて「これは〇〇君です。〇〇君は~をしていますが、どんなきもちだろうか?」等補助の声掛けをしてあげてください。

基本的には自由記述でたくさんの記述を書く項目となります。

また参考までに筆者が想定するシチュエーションは1つ目は「勉強に集中する人と話しかけ続ける人たち」

2つ目は「ドッチボールをする人たちとボールを待つ人」

3つ目は「パイをなげつけられびっくりしている人とぶつける人」となっております。

これは複数人いる場合にやってみるとよいでしょう。シチュエーションは1枚目同様で、実際絵で想像するより具体的な場面を見たり、演じることで具体的な想像ができることを可能としています。

最終的にどのような称号となったか結果を知る項目となります。

想像することが困難な場合は、「例えばこの子は何を持ってるかな?」「横の子はどこに立っているかな?」等状況を補助的に伝え、具体的に考えやすい環境を整えるとよいでしょう。

 

子どもの考えた意見に関してふざけていない限りは基本的に否定的な返事はせずに「そう思うんだね」という受容の姿勢を持ってください。

その上で「私はちなみにこう思ったりもするよ」と言う程度でよいのです。その子の考えを引き出し、どういう認知をしているかを知ることも、その子のつまづきを知るきっかけとなるからです。

 

教材ダウンロード

 

The following two tabs change content below.
こご

こご

児童福祉施設職員 子どもの心理養育について日々発信しています。クマノミ生活は1年以上。